「首相長男(東北新社統括部長)による総務省官僚接待問題」は、「トカゲの尻尾切り」で終わる見通しとなりました。

篠原常一郎の

インテリジェンスウェポン

みなさん、こんにちは!

「首相長男(東北新社統括部長)による総務省官僚接待問題」は、「トカゲの尻尾切り」で終わる見通しとなりました。

【山田真貴子内閣広報官、「入院」→「辞任」のおなじみコースへ】

今朝から報道され、別途私に伝わってきた情報では、本日(3月1日)開催の衆院予算委員会に出席する予定だった山田真貴子内閣広報官は昨日(2月28日)に入院し「欠席」を通告(TBS NEWSで8:05報道)。しかし、それから1時間しないうちに「山田広報官が辞職申し入れ」と報道されました(同、8:53報道>9:00更新)。

(参考)「速報 山田広報官が入院 予算委員会欠席へ」2021/3/1 8:05 TBS NEWS
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4210685.html
(参考)「速報 山田広報官が辞職 総務省接待問題受け」2021/3/1 9:00 TBS NEWS
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4210687.html

この辞職については、自民党と立憲民主党の国対委員長の会談で自民王の森山裕国対委員長から立民の安住淳国対委員長へ説明されたもので、会談後、安住氏が取り囲んだ記者団に明らかにしたものです。「お定まりのコースだな」というのが、私の感想ですね。

みなさん、腹が立つと思いますが、政治家などがスキャンダルで進退窮まると病院に「入院」するというのは過去からおなじみの光景になっています。いったんこういう事態が発生すると、マスコミ関係者は「疑惑の当事者」とその関係者(秘書や事務所関係者、家族まで)を朝から晩まで付け回し、電話はなりっぱなしということになりますから、そこを切り抜けるためなんですね。

「それじゃ仮病じゃないか!」と言われる方もあるでしょうが、実際、その精神的圧迫は世間で経験できるものではなく、本当に体調を崩すほどであるのも事実です。ですから、「委員会に出て自ら説明責任を果たせ!」と要求されても、「入院で不可」なら「仕方ない」とならざるを得ません。

更に山田広報官のように、その上「辞職」ということになれば、もう追及の「刃」が大挙して向けられることはなくなっていきます。「一丁上がり」なんで、マスコミの追及は次のターゲットにいくか、肩透かしでだんだん話題としてはしぼんで行きます(一部マスコミはまたぞろ「安倍昭恵夫人が…」を持ち出して炎上狙いにかかりましたが(笑))

(参考)「安倍昭恵夫人と山田真貴子広報官の”関係”が急浮上 拡散中の投稿写真が引き金」2021/2/28 15:28 東スポWeb/Y!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/1607b9c86a333ac4fb9bc76335c667a38c913be6

【国会での追及も肩透かしへ】

「あの人は飲み会は絶対に断らないけど、肝心なときに逃げるやつ。まあ、ウチの部署にもいますけどね、偉くなってますが」

今朝、伝わってきた霞が関官庁のノンキャリ官僚の感想です(山田広報官と面識ある人ですね)。

「山田真貴子広報官の宴会部長のようなふるまい」が週刊誌報道その他でも伝わってきていますが、結局、彼女ひとりを「トカゲの尻尾切り」することで「総務省接待問題は幕引き」に動きそうですね。もちろん、「菅首相長男による接待」なんて、そもそも本質的に問題にしにくいのですから余計です。

私がYouTubeでお伝えしたように、今回の一部の「高額接待」の内容には東北新社幹部の借金の付け回しを官僚接待を利用して行ったという「背任」「詐欺事案」も要素として含まれている可能性が高いのですが、これは企業の社内倫理の話であり、国会で審議して決着をつける話ではありません。

もちろん監督官庁(総務省)側が監督を受ける側の飲食接待をされたことは許しがたいことですが、その「処分」は接待出席者中、最もメインの人物だった山田真貴子内閣広報官(前総務省審議官)の「辞職」でおさまってしまうでしょう。あとの12人の接待出席者はわずかな処分で終わるでしょうね。

この事態で国会で追及しても、せいぜいが「山田広報官の退職金を出すな」という話が野党(マスコミも同調)から出て、「減額措置」で決着といったところか。それでもしつこく「首相の長男が…」とか「安倍前首相の夫人が…」などと持ち出して「追及」を引き延ばそうとするなら、この間の「桜を見る会」「森友」問題のように無能な野党に対する国民の不信が高まり、結果として自民党の支持率回復を助けるというパターンに入るのかな…?

「あやしい政官業癒着」なら、新型コロナ対応をめぐる諸問題の中になんとなくいくつも煙が上がっているし、他に目を向けるなら「尖閣問題待ったなし」のような重要な国政上の問題があるんですけどね、そろそろ気づけよ、野党。

(了)

「首相長男(東北新社統括部長)による総務省官僚接待問題」は、「トカゲの尻尾切り」で終わる見通しとなりました。”へ1件のコメント

  1. Teawhoney より:

    いつもYouTubeでの発信、ありがとうございます。
    こちらでも解説していただけて、とてもうれしいです。
    報道だけ見て「仮病だね」と思い込んでいましたが、実際にマスコミのターゲットにされたときの状況、とても納得しました。
    このような「問題」が取り上げられる時に、本来どの程度重大な(あるいは軽微な)問題なのか、自分では基本的な評価ができないので、篠原先生のように信頼できる方から要点と評価を教えていただいて、ありがたいです。少しずつ自分の評価基準を身に着けていきたいです。
    野党にしろ与党の売国的な政治家にしろ、次は選ばれないように多くの人と気持ちを共有したいです。

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