独り語り(11日)今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止する」が何と59%もあったのだ。

加藤清隆の『俺に喋らせろ!』

独り語り(11日)今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止する」が何と59%もあったのだ。

◯独り語り(11日)

 5月10日付の読売新聞を見て驚いた。同社の世論調査によると、今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止する」が何と59%もあったのだ。「開催する」は「観客数を制限して」が16%、「無観客で」が23%で、合わせても39%しかなかった。

 これは全く驚くべき数字だ。これが朝日の同様の調査なら、もっと中止論は多く、読売のように2面ではなく、恐らく1面トップだったろう。

 こうした世論は間違いなくコロナ感染拡大に伴うもので、ちなみに読売調査でも、コロナウイルスを巡る政府の対応を「評価する」はわずか23%しかなく、「評価しない」は3倍の68%にも上った。

 それだけ「こんな時に五輪なんてやっている場合か」という意見が俗耳に入りやすいということなのだろう。私はこの反対論は共産党を中心とする左翼勢力の「五輪の政治利用」と見ている。

 そもそも今回の東京五輪では、外国からの観客は入れないし、まだ最終確定していないが、場合によっては「無観客」となる可能性もある。選手たちは毎日検査をうけるし、皆コロナワクチンの接種を受ける。これでどうしてコロナが感染拡大するのか?

 逆にテレビで懸命に努力する選手たちの真剣な姿を見て、勇気をもらえる可能性の方がずっと大きいのではないか、と私は見ている。

 そんな時、競泳の池江璃花子選手に「五輪開催に反対しろ」とか「五輪代表を辞退しろ」などという無理無体な要求をした人たちがSNS上に多く現れた。「コロナ禍で多くの命が失われ、五輪を開けばさらに犠牲が増える。あなたの強い影響力で流れを変えて」と、正論と暴論の見分けもつかないコメントが寄せられた。

 これに対し、池江選手は「暗い世の中をいち早く変えたい」と書きながらも、その責任を一身に負わされるのは「とても苦しい」と正直に心情を吐露している。

 当たりまえだ。難病である白血病と格闘し、奇跡的に病床から復帰を遂げた人に、笑える保証のない明日を信じてひたすら泳ぐ人に、どうしてこのような酷い仕打ちができるのか、全く持って不思議でならない。お前たちは一体血が通っている同じ人間なのかと。

 「五輪反対」を唱えるのは個人の自由だから、好きにすればいい。日本ではそれが認められている。しかしその標的は五輪開催の権限を有するIOC と日本政府及び東京都だけだ。決してアスリートではないはずだ。

 池江選手は病気再発の懸念やコロナ感染の恐れと隣り合わせの日々に耐え、身1つで戦う人である。その彼女に対し、遠くから矢を射かけるようなことをするのは卑怯極まりない。

 池江選手はこうも書いている。「やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけ」。それでも汗を流すのは、背中を押してくれる人を裏切らぬためだという。支えてくれた人々に感謝するためだという。

 昨夜、新しい国立競技場で開かれた東京五輪テスト大会をテレビで観た。やはりアスリートが真剣なまなざしで戦うさまは何よりも美しい。後になって競技場の外で「五輪中止」を訴える約100人のデモがあったことを知ったが、競技者の凄まじい努力の末にようやく勝ち得た一世一代の晴れの舞台を下らない理由で奪おうというのか?素直に彼らの活躍ぶりを観たいと思わないか?

 客観情勢を言えば、東京五輪が本当に開かれるかどうかは、現時点で50%くらいの確率だろう。もし今回中止となったら、もう2度と「東京五輪」が開催されることは恐らくないだろう。

 菅総理も小池都知事もそのことをよく考えて最終決断すべきだ。もし自らの政治パフォーマンスのために「五輪中止」を言えば、一生その「負」のイメージは付いて回るだろう。最後にそのことを言っておきたい。(加藤)

独り語り(11日)今夏の東京五輪・パラリンピックについて「中止する」が何と59%もあったのだ。”へ1件のコメント

  1. sin より:

    反対されてる方へ、違約金について、教えて下さい。

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