清水ともみさんがお書きになった「私の身に起きたこと〜とあるウイグル人女性の証言」(季節社)と「命がけの証言」(WAC)の2冊をご紹介

加藤清隆の『俺に喋らせろ!』

清水ともみさんがお書きになった「私の身に起きたこと〜とあるウイグル人女性の証言」(季節社)と「命がけの証言」(WAC)の2冊をご紹介

 この番組をご覧戴いている方の多くは既にお読みとは思いますが、清水ともみさんがお書きになった「私の身に起きたこと〜とあるウイグル人女性の証言」(季節社)と「命がけの証言」(WAC)の2冊をご紹介したいと思います。

 またこの後は「命がけの証言」で清水さんと静岡大学の楊海英教授との対談を元に、現在のウィグルの状況やこれに対する日本国内の状況についてご報告したいと思います。

 この2冊の本に清水さんの漫画によって描かれた情景は、まるでユダヤ人がアウシュビッツなどのナチスの収容所でで体験したものと瓜二つと言っても過言ではない。21世紀の今、こんな“チャイナチス”(チャイナとナチスの造語)の横暴が許されていい訳がない。

 知れば知るほど源流は(楊氏の故郷の)内モンゴルにある。

 日本のマスコミの一部には、中国に遠慮している人達がいる。出版業界のタブーを破ったのが今回の本で、歴史に残る作品。

 (中国政府からの圧力は?)最初の作品『その國の名を誰も言わない』(2019年)がネット上に公開された後、何日か続けて深夜3時頃、(清水氏の)自宅のインターフォンが鳴り続けた。中国関係のジャーナリストによると、「それは第1段階の警告」とのこと。それ以外にも取材と称して身辺調査をされた節がある。
日本のメディアと名乗っていたが、(著者の)職歴や家族構成、子供の年齢まで聞かれた。しかしその後一切音沙汰なし。記事になった気配もない。

 (中国共産党の魔手が海を越え、描き手にまで及ぶとは想像できなかったのでは?)ある程度は覚悟していた。中国に悪い噂は耳にしていた。ただ私(著者)の周りの友人はウィグル問題なんて全く知らない。それこそが本当に怖い。これは日本の将来につながる話だから。

 正直、匿名で出そうと思った。家族に迷惑がかかるかも知れないから。

 中国はやり方が汚く、留学生などによる中国共産党批判を封じ込めるために、ウィグルにいる家族をすぐに人質に取ったりする。

 以前、「関口知宏の中国鉄道大紀行へ最長片道ルート36000㌔を行く」という旅番組を見ていて、ウィグルのカシュガル地区の回がとても印象に残った。

 というのも、カシュガルの一面の綿花で農家の方がとても暗い表情で綿を摘んでいたのが印象に残った。話しかけても余り答えない。普通、こういう現地取材をする時、笑顔を浮かべるから農作業をしているシーンが出る。当時はなぜそんなに暗い表情なのかと疑問に思っていたが、それから10年経ってウィグルの現状を知り、あの暗さの理由が分かった。

 あのシーンをもう1度見れば描けるかも知れないと思い、インターネットでその動画を探したが、どこにも見つからなかった。そんなある日、テレビをつけたら偶然、再放送していた。その時、全身に鳥肌が立ち、これは描かなければいけない、天命、神様からのメッセージと思った。

 描く以上は匿名ではなく、責任ある名前でなければ意味がないと思い、プロの漫画家としてデビューした時に使った「清水ともみ」の名で描かせてもらった。

 (ウィグルの状況は?)悪化する一方だ。

 漢人はウィグル人を人間扱いしていないと聞く。ウィグル自治区幹部が「あいつらは人間じゃないから、何をしてもいい」と言ったそうだ。

 (中国がウィグルにこだわるのはなぜか?)理由は2つ。1つは、漢民族が他の民族の地域を取りたいという侵略意識。もう1つは、ウィグルの生活レベルが中国の内地よりもはるかに高いこと。ウィグルの農耕技術は中国の技術とは比べものにならないほど高いので豊か。1949年に20万人だった漢民族が今は1000万人を超えている理由も、ウィグルの農作物によるところが大きい。

 またタクラマカン砂漠から石油と天然ガスが見つかり、その資源も中国経済に欠かせない。海底資源が豊富と分かった途端、尖閣を横取りしようとしている構図と同じ。

 今度は南モンゴル(内モンゴル)が狙われ、被害に。2020年9月から中国政府はモンゴル自治区で中国語教育を強化し、事実上モンゴル語を廃止した。内モンゴル出身の大相撲荒汐親方も「母国語が失われる」と訴えている。

 歴史捏造も酷い。フランスの博物館が企画した「チンギスハーン展」が2020年秋に中国の圧力で中止に。チンギスハーンはモンゴル民族の英雄だが、中国政府は「中華の英雄」にしろと要求。一部のモンゴルの歴史教科書にはチンギスハーンが削除され、代わりに毛沢東が載っている。これも文化的ジェノサイド。

 (中国の民族浄化の意図は何か?)同化だ。漢民族は他の民族に対しての不信感がとても強い。ウィグルでは1949年、毛沢東の側近、王震が軍隊を引き連れ、カザフ人とウィグル人を片っ端から虐殺した。毛沢東のやったことは、ナチス・ヒトラーのやったユダヤ人狩り、ユダヤ人虐殺に匹敵する行為だ。

 実は中国人はウィグル人やモンゴル人をとても怖がっている。彼らには共存という発想がない。移住した先で中国人コミュニティを形成し、共有することなく、自分達の一族を増やして数で圧倒している。

 日本の過疎地域では中国人の帰化がとても増えている。ウィグルや内モンゴルでやっていることは侵略と同じ。いずれ日本の過疎地で中国人の数が日本人と逆転してしまう。日本に住む中国人を増やすことで“目に見えない侵略”を行っている。大学でも毎年数え切れない留学生が徒党を組み、リーダーは間違いなく中国大使館とつながりがある。

 日教組の影響かも知れないが、学校の社会科の先生は皆親中派だ。

 日本人は中国人を「同文同種」だと思っている。中国は漢字を教えてくれた国だから恩人の国。戦前、支那事変などで中国に悪いことをしたから、中国の悪口を言ってはならない。中国に対しては反省しようという「洗脳」が戦後ずっと行われてきた。これは全て中国共産党のプロパガンダ。

 真実を伝えないメディアや嘘の戦後教育によって美しい“中国ロマン”が出来上がった。1980年代にNHKで放送された「シルクロード」や「大黄河」をきっかけに日本で「シルクロード・ブーム」が起きた。そもそもシルクロードは中国のものではない。西アジア、中央アジア、地中海沿岸を貫く道。

 パンダもそう。パンダ=中国というイメージは中国のプロパガンダ。パンダはチベット東部が故郷。

 中国に対する批判も、それこそウィグル問題などを扱うべきなのに、ほぼ口を閉ざしたままいわゆる「報道しない自由」。中国が怖いのだろう。中国は嫌がらせや理不尽な圧力をかけてくる。長い目でみたら。圧力に屈するのが一番の悪手なのに。

 日本のメディアはウィグル問題に特に冷たい。チベットや内モンゴル門痔は多少報道するが。ウィグル問題はほとんど報道しない。
 よほど都合が悪いのだろう。中国共産党は、強制収容所に収監している人々から臓器を強制摘出し、年間10万件以上の臓器を全世界に提供している。

 とにかくテレビ局が酷い。中国国内では死刑囚から臓器を取り出し、それを共産党幹部などの臓器移植に使っている。またウィグルの未成年者を拉致し、臓器の一部を取り出した事例も報告されている。

 2020年7月、東京の中国大使館前で1500人くらいの大規模抗議デモをやったが、それをテレビが報じたのは何と1週間後。王毅外相の来日に際して、尖閣を守れとか、ウィグル・モンゴルの弾圧を止めろといったデモも国会前などであったが、ほとんど報道されなかった。安保法制反対とか安倍首相批判デモなら少人数でも大きく報道するのに。

 不思議なのは、日本のメディアだけでなく、BLMなどを主導した米国のリベラル人権団体も中国相手には何も言わない。北朝鮮や中国の人権弾圧などを見て見ぬ振りしているのは、国際NGOヒューマンライツ・ナウ。

 そもそも国連人権理事会の理事国が中国なんて信じられない。人権団体こそダブルスタンダードで差別的な思考が強い。本来、今の中国に資格がないはず。そんな偏ったメディアや国際機関が出した声明を日本人はたやすく信じてしまう。(了)

清水ともみさんがお書きになった「私の身に起きたこと〜とあるウイグル人女性の証言」(季節社)と「命がけの証言」(WAC)の2冊をご紹介”へ5件のコメント

  1. 匿名 より:

    私に身に起こったこと
    ポスティングしたいのですが
    無料で50冊いただけると伺っていますが よろしくお願いします

  2. UUU より:

    「清水ともみ note」
    で検索すると
    「私の身に起きたこと」の多言語が読めるようになっています。

    もっともっとまるといいですね

    1. Teawhoney より:

      すみません、コメント内容かぶってしまいました(*ノωノ)

  3. lonestar8 より:

    是非電子書籍化、それも英語やスペイン語、中国語など世界にアピールできる方法で実現していただきたいです。

    1. Teawhoney より:

      漫画作品は、以前から、多国語翻訳版を無料で公開されていますよ。清水ともみさんは、noteでずっと無料で提供されています。

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