【第25回 僕の中の戦士の話 Part4】
式町水晶のWhat a Wonderful 鑑定 World
脳性まひのポップヴァイオリニスト。2020東京パラリンピックの閉会式でピアニスト西川悟平とともに名曲「What a Wonderful World 」を演奏。
【第25回 僕の中の戦士の話 Part4】
こんにちは、式町水晶です。格闘技にまつわる話、最終回になります。
パラリンピック閉会式で選手たちが見せてくれた笑顔は、本当にステキでした。実は僕にはまぶしすぎるくらいでした。なぜそんなにまぶしく思えたのか、気になっていたんです。
選手の皆さんの戦いは相手を倒すためのものではなく、自分を高めるためのものだ。だから戦い終えた彼らは、勝っても負けてもあんなにいい笑顔でいられたんだ…そう気づいて、僕は初めて自分の中の戦士を見た気がしました。奇遇にも僕のデビュー曲のタイトルは「孤独の戦士」です。僕はこれまで自分でも気づかないうちに、戦っていたようです。おそらくは自分の障害と。そして障害のない人たちと。負けまい、負けまいと戦っていたんです。
戦わなくていいんだ。そう自分に言い聞かせたら、体と心の力が全て抜けてしまって、バイオリン演奏も、鑑定も、そして体を鍛えることもしばらくできませんでした。それでもゆっくりと再開した時、本当の意味で自分を高め、皆さんに喜んでいただくためにやっていると実感できたんです。
ずいぶん個人的な話になってしまいましたが、そんなわけでこれからもバキバキと体を鍛えつつ、皆さんに元気になっていただけるような演奏、そして鑑定を目指していきます。楽しんでいただけたら嬉しいです。
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