自民党の二階幹事長は立憲民主党の福山幹事長と国会内で会談
加藤清隆の『俺に喋らせろ!』
自民党の二階幹事長は立憲民主党の福山幹事長と国会内で会談
◯独り語り(5月20日)
自民党の二階幹事長は立憲民主党の福山幹事長と国会内で会談し、外国人収容の在り方を見直す出入国管理・難民認定法改正案の今国会成立を断念する方針を伝えた。これにより、衆院法務委員会で審議中の改正案は廃案となる見通し。
野党が入管施設でスリランカ女性の死亡に関する真相究明を優先するよう強く求めており、成立を急げば世論の批判を招きかねないと判断した。
自民党側は直前まで立憲と落としどころを探ったが、立憲は憲法改正手続きに関する国民投票法改正案に賛成したことなどで、党内や左派支持層に「対決姿勢が足りない」との不満が高まっており、妥協する選択肢はなかった。
また与党・公明党からも、同党が重視する7月の東京都議選への影響を懸念する声が上がっていた。改正案を審議する参院法務委員会の委員長は公明党で、都議選を間近に控える会期末に批判の矢面にたたされかねなかった。このため公明党幹部は「結果的には良かった」と胸をなで降ろしている。
しかし改正案は本来、長期化が問題になっている入管施設での収容の適正化を目指すのが本来の狙い。これまで「むしろスリランカ女性のような事案を繰り返さないための法案だ」(与党幹部)と改正案の必要性を強調していたにも関わらず、成立を断念したことに、あるベテラン議員は「選挙のことばかり気にしている。世論に負けてしまった」と嘆いてみせた。
加藤官房長官は記者会見で、改正案について「長期収容などの入国在留管理行政にとって喫緊の課題に対応するために必要だとして提出した」と説明。政府は改正案で、不法入国や不法残留によって入管施設に収容された外国人が送還までの間、長期収容されている問題を解消しようとした。
不法残留者は1月現在で8万2868人に上り、2015年1月よりも約2万2000人増えた。入管施設に収容されている942人(19年末時点)のうち、送還を拒否する「送還忌避者」は649人で約7割を占める。収容が続くうちに体調を崩すケースもある。
改正案では、入管施設での収容の長期化を避けるため、出入国在留管理庁が親族らを「監理人」に認定し、送還まで施設外で監督させることができる制度を設けた。難民認定申請を繰り返し、送還を先延ばしにしようとする事例が相次いでいるため、難民認定を3回以上申請した場合は原則として国外退去とする。
しかし、改正案の今国会見送りで、これらの見直しは実現のめどが立たなくなった。公明党の山口代表は会見で、「結局、誰も望まなかった入管行政の現状が残ってしまう」と懸念を示した。
杏林大の川村真理教授は「法案の中身が国民に十分に理解されていただろうか。難民条約の拡充など、引き続き守るべき外国人を適切に守る取り組みを進めて欲しい」と話す。
政府・与党が出入国管理・難民認定法改正案の今国会成立を断念したのは、終盤国会を迎え、国民投票法改正案などの法案審議に影響を及ぼすとみたためだ。東京都議選や衆院選を控える中、早期成立にこだわって世論の反発を招くのは得策ではない、との判断も働いた。
自民党の森山国対委員長は、収容施設でのスリランカ女性の死亡について「しっかりと(真相を)究明していくことはやらなければならない。今国会でこれ以上審議を進めないことも1つの選択だ」と記者団に語った。改正案の審議よりも死亡の真相究明を優先すべきだとする野党への配慮がにじんだ。
審議では、衆院法務委員会の自民、立憲両党の筆頭理事らが修正協議を行い、自民も修正に応じる構えだった。しかし、すべての修正事項では折り合えなかったうえ、立憲が女性の死亡に関連する入管施設の映像開示を強く求め、協議は決裂した。
自民党内では、「女性の死亡のような事案を起こさないためにも、改正案を成立させる必要がある」(幹部)として、今国会成立にこだわる意見も根強かった。
ただ、会期末まで1ヵ月を切り、審議に残された時間は少ない。複数の重要法案の審議を抱える参院側の危機感は強かった。
特に、参院憲法審査会で審議入りする国民投票法改正案は、自民、立憲両党が今国会成立で合意している。「与野党対立の余波が及ぶことは避けたい」(自民党国対関係者)との思惑もあった。
衆院で入管難民法改正案を採決すれば、野党が内閣不信任決議案のカードを切り、「衆院解散を誘発する可能性」(自民党ベテラン)も懸念した。菅内閣のコロナ対策への不満から、内閣支持率は下落傾向にある。参院自民党幹部は成立断念について「当然、選挙を意識した。会期末で(与野党が改正案の審議でも含めて)乱闘した場合、すぐ後の選挙の結果はだめだ」と解説した。
立憲など野党は入管難民法改正案の今国会成立を阻み、「最善の結果だ」と歓迎している。立憲の枝野代表は「この国会での成立断念という結果を勝ち取ることができた」と語り、スリランカ人女性死亡の真相解明に取り組む考えを強調。ただ、女性の死亡問題と改正案の審議を結びつけることには疑問視する向きもある。
立憲内でも「法改正の必要性では我々も認識を共有している」との声が上がる。党関係者は「女性の死亡にばかり焦点が当たり、入管制度が抱える問題の解決が遅れるのではないか」と危ぶむ。(加藤)
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売国者同志の会談。
本当に、国対に与党の人間がいないとは・・・!