大阪などに適用されたまん延防止措置等があっという間に東京などにも波及。

加藤清隆の『俺に喋らせろ!』

大阪などに適用されたまん延防止措置等があっという間に東京などにも波及。

 前回、4月解散の可能性について言及したばかりですが、その際も「コロナ感染拡大が最大の障害」と述べましたが、まさにその「最大の障害」が現れてしまいました。大阪などに適用されたまん延防止措置等があっという間に東京などにも波及。さらに緊急事態宣言に発展する可能性も出て来ました。これでは衆院を解散して総選挙などやっている場合ではありません。

 菅首相は間もなく日本を出発し、16日(現地時間)にバイデン米大統領とホワイトハウスで初の対面による首脳会談を行い、この成果を持って帰国し、衆院解散に踏み切る考えでしたが、コロナでこれも吹き飛びました。

 菅首相も周辺には「4月の解散はない」と漏らしているようだ。では次のタイミングはいつか?政治家が「4月はない」と言ったら、「5月はある」との見方が妥当だが、あくまでコロナの感染状況次第。私は高齢者へのワクチン接種が4月中旬に始まるのを待ち、5月下旬に解散し、7月4日の東京都議選と同日選にする可能性が大きいのではないかと見る。5月23日解散ならぴったり、7月4の日投開票に合う。

 前回も簡単に説明したが、元々連立与党の公明党が都議選を国政選挙より重視していることから、同党は「都議選とダブル」は避けて欲しいと自民党に強く申し入れていると言われてきた。これまではずっとそうだった。

 ところが、今回に限ってはどうも情勢が違っているようなのだ。公明党が都議選を重視する理由は、都議会で与党として東京都の予算権限を握っていたいためと言われる。それは今も変わりはないのだが、都議会の状況が以前とは少し違ってきているのだ。同党が小池都知事の与党である都民ファーストと紛争を起こしていることが大きく関係している。

 都民ファーストは都議会限定で国政には議席を有しない。従って都議選が衆院選とダブルの方が公明党にとっては同時に選挙戦を進められるため有利、との判断があると言われる。公明は国会議員を前面に立て、国政の懸案をぶつければ、都民ファーストとの争いを有利に戦えるということのようだ。

 例えば、都民ファーストは都議会で憲法改正を主張しているが、これに対し公明は憲法改正に慎重な立場だ。

 先に触れたように、解散権を持つ唯一の人、菅首相は訪米や大型連休中のインド、フィリピン訪問を終え、5月下旬にも衆院を解散したい考え。これに対し、公明党の山口代表はこの菅首相の考えにこれまでのところ一切何も発言をしていない。発言しないということは「同意」しているとみるべきだろう。恐らく首相は山口氏に対し、既に「7月ダブル選」を通報済みの可能性が高い。

 自民党はこのところ地方の首長選での敗北が目立っており、4月25日の国政選挙の補欠・再選挙も情勢は自民党に非常に不利と見られている。このため、もしコロナの感染拡大で緊急事態宣言がその時期に重なれば、再度衆院解散は延期されることになる。

 その場合は東京五輪パラリンピックが終了する9月5日を待ち、解散ということになるが、9月30日に菅首相の自民党総裁任期が切れるため、総裁選をやってから衆院選となるのか、それとも衆院選を終えてから総裁選とするかで、菅氏の総裁続投となるのかどうかという問題に密接に絡むことになる。

 菅首相としては7月の都議選とのダブル選で勝利し、その勢いで総裁選は無投票で再選ということを強く望んでいるが、果たして情勢が菅首相に味方するのかどうか、現状ではまだ分からない。(加藤)

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