静岡県知事選に水を差す共同通信の悪意

 5月18日、上川陽子外相が静岡市で開かれた静岡県知事選に立候補した大村慎一氏(元静岡県副知事)の集会で演説した際の発言を共同通信が出産が困難な女性への配慮に欠ける発言をしたとして、問題視する記事を配信した。
 上川外相は「この方(大村氏)を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と述べた。共同通信は18日に発言を配信。この記事を引用した東京新聞では、またぞろわざわざ逢坂誠二・立憲民主党代表代行にコメントを求め、「子供をうまない女性は女性ではないと受け取られかねない不適切な発言だ」と言わせている。逢坂氏は大村氏の対立陣営である鈴木康友候補(前浜松市長)を支援する立場だ。大村、鈴木両氏は接戦が伝えられており、何とか鈴木候補を勝たせたい左派メディアの意図的な報道と言わざるを得ない。
 左翼メディアがいかに鈴木氏に肩入れしているかを如実に示す事実がある。5月7日夜、鈴木康友陣営幹部と静岡県政記者クラブの間で懇親会が企画されたことがある。告示の2日前のことだった。
 「まぶしい新緑の木々と咲き誇る花々が美しい心地よい季節となりました」という書き出しで始まる挨拶状は、「県政記者クラブのみなさまと意見交換をさせていただき、候補者間での活発な論戦が展開されるようみなさまのご指導、ご鞭撻を賜りたい」として、会費6000円で静岡市内の中華料理店で懇親会を催す案内状が記者クラブ各社に配られた。
 ところが、この情報が大村陣営に漏れ、「告示日の直前に、いくら会費制だとはいえ、公正中立であるべきメディアが、片方の陣営だけと懇親を図るのはおかしいのではないか」という声が上がり、会は催されずに終わった。
 幹事として案内状には静岡県議の名前が書かれていたのだが、この県議に電話すると「内々の話がなぜ外に漏れるのか」と不満をひとしきり漏らした後、「これは毎日新聞の記者が文面を書いて、こちらにもってきた話であって、僕は迷惑だとして厳重抗議をしているんだ」と答えた。
 しかし、幹事として静岡県議の実名と連絡先が書かれている以上、文責は幹事であるあなたにあるのではないか、という趣旨のことを言うと、「これ、どうするつもり? 場合によっては訴訟も考えなければならない」と脅すようなことを言ってきた。
 毎日新聞静岡支局には、こちらの名前と連絡先を言って回答を求めたが、1週間以上経っても何も言ってきていない。
 公正中立が聞いて呆れる。彼らメディアの多くは保守系候補者を目の敵にし、川勝平太前静岡県知事をかついだ鈴木修・スズキ相談役が推す鈴木康友県政を実現させようと必死だ。恐らくは2009年の自民党下野、民主党政権の成立をまた夢見ているのではないか。
 静岡県西部のある市議が、こうぼやいていた。
 「大村さんの支持を訴えようにも、県西部から選出された2人の自民党の国会議員がイメージを最悪にしてくれた」
 逆風の原因を作ったうちの1人は、塩谷立元文科相。自民党清和会(安倍派)の事務総長、会長代行、座長と要職を務めてきた。パーティー券キックバック問題で引責し、自民党を離れた。もう一人は、宮沢博行元防衛副大臣兼内閣副大臣の女性問題。出会い系サイトでパパ活をしていたことが週刊文春に暴かれ、「記憶にございます」の名言(迷言?)を残して議員辞職した。
 さきの市議は「宮沢さんは議員辞職した後も静岡3区でお詫び行脚をしているのですが、支持者は『ネクタイの色が悪い。トレードマークの赤いネクタイでお詫びして回るなんてふざけてる』と厳しい声ばかりなんですよ。大村さんを宜しくお願いします、となかなか切り出せない」とこぼす。自民党の情勢調査によれば、宮沢氏の地盤である静岡3区は圧倒的に鈴木氏が優勢だ。トリプルスコアで差をつけられている。
 大村陣営に逆風が吹かなければ、鈴木氏が県知事選に出馬を決意することもなかっただろう。鈴木氏の盟友であった大樹総研の矢島義也氏は東京地検特捜部から金融商品取引法違反容疑で家宅捜索を受け、鈴木氏も一時は身動きが取れない状態にあったからだ。
 ただでさえ逆風が吹く大村陣営。その逆風を煽いで暴風にしようとしているのがマスメディアなのだから質(たち)が悪い。  

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