2024年9月15日 / 最終更新日 : 2024年9月15日 三枝玄太郎 無料 小泉進次郎さん、「年収の壁」撤廃のどこが「改革」なんですか? 自民党総裁選(27日投開票) に向けた9人の候補者が一堂に会した名古屋市の初の「地方遊説」を動画で初めから終わりまで見た。 これまでのところ、トップを走っているのは、メディアにもよるが、石破茂氏と小泉進次郎氏だというのが衆目の一致するところだ。だが、小泉氏は「解雇規制の緩和」を出馬表明会見で打ち出したのが嫌われたのか、日本テレビによる自民党の党員・党友を対象にした電話調査では、高市早苗氏に抜かれ、3位に後退した。 小泉進次郎氏は父、純一郎氏の癖が遺伝したのか、何かといえば「改革」というフレーズを使いたがる。6日の出馬表明会見で、小泉氏は「解雇規制の緩和は、労働市場改革の本丸」と言い切った。彼は「解雇をしやすくしろ、などとは言っていない」と弁解するが、8月29日のテレビ東京系の「ワールドビジネスサテライト」では「雇用の流動性を高めるためには解雇の金銭解決制度などを導入し、解雇規制を緩和すべき」と述べた。 これだけではない。小泉氏は労働時間の上限撤廃や「年収の壁」の撤廃を謳っている。これのどこが改革なのだろうか。 「年収の壁」について説明すると、一例としては「年収106万円の壁」というものがある。従業員101人以上の企業に週に20時間以上勤務している労働者の年収が106万円を超えると、厚生年金保険や健康保険に加入しなければならない(そのほかにもすべての人が扶養から外れ、自ら健康保険に加入しなければならない年収130万円の壁というものもある) これを小泉氏は撤廃しろ、というのだ。岸田内閣も「年収の壁の撤廃」に関しては施策を講じていたが、手取り収入が106万円を超えても、企業に補助金を出して、労働者の手取り収入が減らないようにするものだった。ところが小泉氏はこれを一足飛びに越えて、手取りが100万円もない人でも扶養控除をせずに保険料を取ろうというのだから、血も涙もない発想としか言いようがない。解雇制限の撤廃といい、小泉氏の言う「改革」は貧乏人は死ね、と言うに等しい地獄のような「改革」だということは強調しておきたい。小泉父子はどこまで日本を痛めつければ気が済むのだろうか。 返信をキャンセルする。コメントを残すにはログインしてください。