自民党をダメにする長老支配 合従連衡で阻止を

 河野太郎デジタル担当相が16日、自身の派閥の長である麻生太郎副総裁と会談し、自身の出馬に了承を得たとして、18日、出馬する意向を固めた、と報道された。麻生派のナンバー2であるから派閥の領袖としては支援に回らざるを得ない、と好意的に解釈することもできなくはないが、この国難のときに、こんなバカげたことがあって良いのだろうか。
 今年7月中旬には、小泉純一郎元首相と森喜朗元首相、中川秀直元官房長官と田原総一朗氏が定期的に開いている会合の際、小泉純一郎氏が、息子の小泉進次郎元環境相の出馬に関して「本人がやると言ったら反対はしない」と語った、と、8月2日に首相官邸を訪れた田原総一朗氏が記者団に話した。
 小泉進次郎氏は、森氏や菅氏らの覚えがめでたい。本来であれば、半ば政界を引退したも同然と見られる長老も、1日でも政治生命を永らえたくば、「神輿は軽くてパーが良い」ということなのだろうか。
 一方の高市早苗経済安保担当相は8月18日、東京都杉並区のセシオン杉並で講演会を行った。僕も出席した。はっきりとした出馬表明はなかった。高市氏を長老が推しているという話は寡聞にして知らない。有能な女性が総裁になることは、長老たちにとっても邪魔なのだろうか。
 僕は小泉進次郎氏が本命で、2位を高市氏と小林氏が争うのではないか、と見ている。理由は、高市氏の自民党員の人気の高さ。紀尾井町戦略研究所の調査では、「次期首相にふさわしい人」のトップは、石破氏を抜いて1位だった(マスメディアはそうは報じないが)。これならば、自民党の党員票は見込めるし、それが追い風になり、国会議員間の投票でも有利になる可能性は十分にある。
 小林氏は勢いがある。国会議員の間では、汗をかく小林氏に首相になってほしい、と願う国会議員は多い。特に若手や中堅には。ただ知名度が低い。
 それにしても、この国難の際、料亭に長老が集まって、「進次郎にしよう」などということが許されるのだろうか。あまりにも有権者をバカにしていないか。こんな院政が罷り通るなら自民党再生の道はない。麻生氏ももはや老害だと言わざるを得ない。
 僕は高市、小林の両氏が2、3位になれば、合従連衡して、どちらかの候補に一本化し、小泉氏を打ち倒すのではないか、と半ば楽観的に考えている。エネルギー政策、経済安保、外交、防衛…、この2人には共通点が多い。自民党の国会議員が、看板だけを付け替えれば自分の選挙は安泰だ、などと考えるおバカさんばかりでないことを祈るのみだ。

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