激戦! 東京15区補選  劣勢、乙武洋匡陣営の起死回生に小池百合子・東京都知事の信じられない裏技!

 衆議院補選の投開票日まであと1週間を切った。自民党は長崎3区、東京15区補選では不戦敗。残る島根1区も自民党新人の錦織攻政候補が立憲民主党元職の亀井亜紀子候補にかなり先行を許している、と各社の情勢分析で明らかになっている。岸田政権はいよいよ大ピンチだ。
 東京15区補選は、大本命とみられた無所属の乙武洋匡氏=国民民主党、都民ファーストの会推薦=は、連合が自由投票を決めたことや自民党、公明党の推薦が得られなかったこと、さらには乙武氏自身の過去の不倫問題、小池百合子・東京都知事の経歴詐称疑惑が再燃し、逆風が吹き荒れている。
 21日、東京・豊洲を訪れた。つばさの党の傍若無人な選挙妨害の影響で、各候補ともSNSでの事前告知をやめてしまい、やむなく定点観測をすることにしたのだ。
 秋元司氏(無所属)、金澤結衣氏(日本維新の会)の街頭宣伝が行われた。午後5時からは東京都の小池百合子知事が駆けつけ、豊洲ベイサイドクロス前で乙武氏の街頭演説会が開かれることが分かった。会場は警視庁警護課のセキュリティポリス(SP)が数十人、周囲ににらみを利かせ、交通規制まで行われ、車線が1車線少なくなっていた。
 驚いたのは、その聴衆の数だ。ざっと見渡しても少なくとも200人はいる。街宣活動の場に現れては執拗に妨害行為を繰り返す「つばさの党」の連中も来ていたが、SPはかなり抑え込んでいた。安倍晋三元首相が亡くなった2022年7月8日、奈良県警が奈良市でこの程度の警護をしてくれていたら、安倍さんが遭難することもなかっただろう。東京15区補選の立候補者の他候補では、これほどの警護はなかった。小池知事の権力を見た思いがする。
 それはともかく、彼らつばさの党との追いかけっこをしているうちに、寄る年波には勝てず、くたびれてしまい、駅前の喫茶店に入った。すると、「小池さんから電話があったのよ」「え? うちも!」という会話が聞こえてくるではないか。
 実は演説会が始まる2時間ほど前から「小池都知事がなりふり構わぬ電話作戦をしているらしい」という噂を現職区議から聞いていた。噂は真実だったのだ。
 「すみません。そのお話、聞かせてもらっても良いですか?」と話に割り込むと、恐らくは録音と思われるが、小池知事の肉声で演説会の告知が留守番電話に入っていたそうだ。
 「まさか、小池さんから電話があるとは思いませんでした」とその人は話した。ある江東区議は「どうしても負けたくないんだろうね、小池さんは。東京都の各区市町村は小池王国になっていて、小池さんが応援すれば勝てる、と言われている。負けたら政治生命に関わるから必死なんでしょう」と推測した。この区議はこうも言った。
 「他人の衆院選で自ら電話までする知事なんて聞いたことがない。『ここまでするか』と正直思った。同時に小池人気がなかなか衰えない真髄を見た気がしたよ」
 現在、各社の情勢分析では酒井菜摘氏(立憲民主党)がトップを走っている。だが島根1区に比べると、差は縮まっているようだ。後を金澤氏、日本保守党の飯山陽氏が追う展開なんだとか。
 東京青年会議所のインターネット討論会からも逃亡し、「自らが経験した看護師に関する行政以外は何ら定見がない人」(元同僚区議)と評される酒井氏がこのまま逃げ切るのか。はたまたドブ板活動を繰り返してきた金澤氏が逆転するのか。テレビで無視に近い扱いをされた飯山氏が奇跡の大逆転を果たすのか、目が離せない。恐らくこの3人による争いになるのだと思う。
 が、ある区議は「まさか、まさかの乙武逆転とか、あったりしないだろうね。知事自らかけてきた電話をもらってうれしくない人はいないよ。本当にあの人は怖い人だ」と話す。小池知事の「執念」を警戒する声があるのも事実だ。    

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