自民票の行方がカギ 日本保守党、参政党の必勝法とは?
岸田文雄首相が低支持率の中、着々とライバルを葬って独裁体制を構築している。こんな滑稽な事態は思い返しても、記憶にない。岸田首相は次の総裁選にも出馬するとの観測もある。さしずめ「日本の習近平」だ。自民党の国会議員諸兄はいったい何をしているのだろうか。 東京15区補選の告示まで1週間あまりとなった。候補者が乱立し、前回の2021年10月の衆院選の当選者、柿沢未途・前衆院議員が獲得した76261票をかなり下回るのではないか、との観測も出ている。おそらくは過去の得票から見ても、金澤結衣氏(日本維新の会)、乙武洋匡氏(都民ファーストの会)、酒井菜摘氏(立憲民主党)、元参院議員の須藤元気氏(無所属)、元衆院議員の秋元司氏(無所属)が軸になって、そこに日本保守党の飯山陽氏や吉川里奈(参政党)がどう割り込んでいくか、という戦いになると思う。 突出した「強い」候補がおらず、団子レースのようになったため、各党も必死だ。古い付き合いである維新系の市議(東京都内)は、毎日江東区に入り、「前代未聞の物量作戦」を展開していると話していた。「これは今一つかな」と思っていたが、小池百合子・東京都知事が出馬しないという観測が広がってきてから、急激に街を行く人の感触が良くなったのだという。「これは勝てるかも」ということで、東京中の議員が江東区に集まり、果ては運河をクルーザーまでが走っているのだとか。 お断りしておくが、僕の考えに一番近いのは日本保守党や参政党であって、自民党候補もおらず、小池氏も出馬しない今回の選挙は千載一隅の当選のチャンスだと思っている。当選に絶対に必要なのは、自民党江東区議団の持っている票だと思う。 まだ流動的な要素は残っているが、乙武洋匡氏を自民党が推薦することには自民党江東区議団は相当な拒否反応がある。何せ遺恨を残した前々回の江東区長選で、自民党江東区議団が推した山崎一輝・前都議を破った木村弥生・前区長を乙武氏は応援演説しているのだ。「いったい自民党本部は何を考えているのか。乙武氏は憲法改正にも反対しているうえに、LGBT理解増進法推進論者だったんだよ」とある区議は憤る。1日に区議団は集まって「党本部が乙武推薦を言ってきても、地元自民党は応じない」と決起したのだという。 地元関係者によると、山崎一輝・前都議や山崎孝明・元区長(故人)は、「どちらかというと、タカ派であって、参政党や日本保守党と考えは近い」そうだ。実際、自民党江東区議団は参政党と江東区では共同会派を組んでいる。 江東区は伝統的に保守が強い。保守系候補も革新系候補もそれなりの数が出馬しているので、革新陣営が一本化でもしない限り、大乱戦となることは必至だ。 そこで自民党票の帰趨が勝敗のカギとなりそうなのだ。「自民党本部が推薦をすれば、一定数は乙武氏に入るだろう」と、ある野党系区議は語るが、乙武氏は相いれないと考える人もかなりいるだろう。ここを日本保守党や参政党が取り込めるかどうか。最近、飯山陽氏が自民党本部の幹部たちを批判し、自民党全体をあまり批判しなくなったのは、その辺を視野に入れてのことだと思う。28日には新たな衆院議員が誕生する。1票が勝敗を分ける大接戦になることは必定。目が離せない。
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