最初のご挨拶は愚痴になります
文化人放送局をご視聴の皆様、いつもありがとうございます。自由で公正な言論を発信する場が年々少なくなってきた現在、文化人放送局は非常に重要な〈場〉となっています。
今回は文化人放送局ダイヤモンドクラブのコラム配信の第一回なので、日頃思っていることをあれこれ率直に述べたいと思っています。
ツイッター、今はXですが、使い始めてすぐ気づいたことがあります。それは、様々なテーマを書き分けてみて、フォロワーの反応を探るのが短時間に可能になる事でした。これまでも普通のメディアで、雑誌、新聞などに寄稿した場合も読者の反応は解ります。時間が掛かりますが、読者から編集部宛に長文の手紙を頂戴したことも何回かあり、筆者冥利に尽き、感動したこともあります。
Xでの反応はそういうものとは全く異なっていて、言うなれば、ものを書く人間にとってのマーケティング調査になるものでした。もちろん、ツイッターは最近は長文投稿も可能ですが基本的に短文投稿なので、長い感想などくるわけがなく、読んだ人が興味を示したのか、スルーしたのか、また、一人の反応に他の人が反応したかどうなのか、引用される回数が多いか、少ないか、とんな反応が24時間もあれば判明します。
そこで、少なくとも自分のフォロワーの関心事が何か、どんな情報を求めているのか、というデータが得られるわけです。
そこで最近非常に気になっていることがあります。以前からネット上で「脊椎反射」などとか言われていた、短絡的な反応の仕方があります。文意を理解せずに、言葉尻だけに反応したり、全く逆の意味に読まれたりする。そんなレスポンスが私だけでなく、他の人の投稿を散見しても気になることが増えてきた。そんな気がします。
もっと厄介なのは、Xは基本的に短文なので短い文字数で複文節の文章を書いた場合、文意を理解されないこともあることです。まぁ、それは仕方ないのか、国語教育というか、日本人の言語処理能力が総じて劣化してきたという、社会的、いや国家的な問題が背景にあるからです。
そして、最も危惧するのは、物事や出来事、進行中の事件などの枝葉末節でなく、そんな社会的、あるいは国際的問題の流れの背後に何があり、歴史的にどう位置づけられるのか、という最も大切な概念的把握を嫌ったり、遠ざけたりする人が最近ものすごい勢いで増えてきていると思えるからです。それが、最も危惧することです。
たとえば、昨年成立した「LGBT理解増進法」という法律が米国や英国でどのような背景があって出来上がり、その結果どんな弊害が出て、社会問題になっているのか、という出来事の歴史的意味や文明史的にはどういうモノなのか、ということへ関心が、少なくとも私のXの20万人以上のフォロワーには少ないように感じられます。
米国のLGBT活動家の動きが50年以上前の中国共産党の文化大革命とどう酷似しているか、連携はあるのか、というテーマになると極端に反応が鈍くなります。
実は、それが最も危険なことだと思っています。たんに、特定アジアを批判する投稿だけのリポストが多くなっても余り意味は無く、かえって大事なことから目を逸らさせる弊害があると思います。
もっと、もっと言いたいことはありますが、今日はこの位で筆を擱きます。来週以降も私の愚痴にお付き合い頂けたら、非常に、非常に嬉しいです。
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