岐阜の陸上自衛隊で小銃乱射事件が起きたが、実は約40年前、山口でも同じ小銃乱射事件が起こり、私はその取材に追われた。
山口市の陸自射撃場で事件が起きたのは38年前。今回と異なるのは犯人が自動小銃を持ったままジープで逃走したことだ。幸い、日が暮れる前に逮捕されたが、大変な騒ぎになった。
山口支局に記者は私１人しかおらず、後は営業担当と支局長だけ。人手が足りないので、女房まで駆り出した。
私は発表がある県警記者クラブを離れられず、現場には取材経験のない営業担当を送り、とにかく見たままを本社社会部に伝えてもらった。
容疑者の身柄が拘束されたので、カメラを持ち、所轄署へ。
皆で玄関で待っていたが、裏口から入り、二階のデカ部屋に連れ込まれようとしたので、私は走ってデカ部屋の机の上を土足で跳び、厳重装備の警察官にがっちり腕を捕まれた被疑者の前に出て、キャノンオートボーイで1枚だけパチリ。これが大変な迫力で特ダネ写真になった。
翌日、県警捜査員の後をついて現場検証に行ったが、正午のＮＨＫニュースのトップはなぜか私の姿がずっと映っている。カーキ色の米軍払い下げ服を着ていたためにも間違われたのだ。今となっては懐かしい思い出。加藤