小泉元首相が菅直人元首相とともに持論の「脱原発」について外国特派員協会で記者会見。こちらも噴飯物だが、記事になっていない問題発言がもう1つあった。

『加藤清隆の俺に喋らせろ』

小泉元首相が菅直人元首相とともに持論の「脱原発」について外国特派員協会で記者会見。こちらも噴飯物だが、記事になっていない問題発言がもう1つあった。

 小泉氏は2003年3月、当時のブッシュ政権が国際世論が反対する中、対イラク攻撃を強行。小泉政権もこれを支持した。しかし戦争の最大の口実だったはずのイラクの「大量破壊兵器」は結局見つからなかった。当時の判断の是非について中東の記者から質問された小泉氏は「イラクが査察を認めていれば、戦争は起きなかった」と強調したが、果たしてこれは事実なのか?

 小泉氏は「一般的に言うと、アメリカは何でイラク戦争を始めたのかと非難されたのは分かる。しかし、イラクが査察を認めてれば、戦争なんて起きなかったんです。何で査察を認めなかったのかと。隠していると思ったんだよな、アメリカは。結果、大量破壊兵器はなかったんだけども」。

 この発言は非常に大きな問題がある。当時、フセイン政権が生物兵器や核兵器等の大量破壊兵器を秘密裏に開発しているのではないかとの疑惑があったのは事実。そこで国連監視検証査察委員会が現地に入り、査察を行った。当時の責任者は「米国等が訴えていたイラクが査察に協力しなかったとの主張には異論がある。イラクは査察を喜んで受け入れた訳ではないが、全く妨害しなかった。私たちは計700回、500カ所を査察したが、大量破壊兵器はなかった」。

 つまり小泉氏の発言は控えめに言っても重大な間違いであり、もし確信犯で言ったのなら極めて悪質なフェイクということになる。日本政府は「当時の判断に間違いはない」との立場を堅持しているが、英国やオランダの検証委員会はいずれも「判断間違い」を認める報告書を作成している。

 また国連安保理決議1441だけでは国際法上イラク戦争を「合法」とすることは難しい。これだけでは安保理決議なしの武力攻撃を禁じた国連憲章に違反する可能性が高い。英国の報告書にも「イラクへの軍事行動は、最後の手段ではなかった」「軍事行動に法的根拠があるとは到底言い難い」と当時のブレア政権の判断を厳しく批判しているのだ。

 小泉氏の発言は欺瞞であり、約29万人と言われる犠牲者えお改めて侮辱したことに他ならない。(了)

小泉元首相が菅直人元首相とともに持論の「脱原発」について外国特派員協会で記者会見。こちらも噴飯物だが、記事になっていない問題発言がもう1つあった。”へ4件のコメント

  1. Teawhoney より:

    加藤先生、小泉氏のこのような発言、取り上げてくださって、ありがとうございます。
    本当に、自分は大切なことが何か分からないまま過ごしてきたんだなと実感します。
    フセイン大統領がブッシュ政権等に騙されて殺されたことも、あの戦争が一部産業の利害のために起こされたことも、既に広くコンセンサスが得られていると思うのに、この発言を撤回して何がどう間違っていたのか認めないことは、人としても国家としても許されないと思います。

  2. こまった より:

    イラクのフセイン像を倒したのは民衆ではなく、広告代理店(DS側)の社員達だったと言う写真と記事が数年後に出ました。つまりフセインは悪くないです。戦争は全部DSが仕掛けていると言う事。小泉はDS側の外国人?だと言うのが本当で、出身地も誤魔化している、慎太郎と同じ出身地です。

    1. Teawhoney より:

      出身地のこと、全く知りませんでした。
      さっき急いでduckduckgoしてきたら、ずいぶん有名な話だったようですね。教えてくださって、ありがとうございました。

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