チケットが、外れてしまった愚痴バナシ

文化スポーツライターキリンコ

チケットが、外れてしまった 愚痴バナシ

パラリンピック1周年記念イベントとして行われる車いすバスケの国際試合。会場はオリパラのために作られた有明アリーナ。相手は強豪スペイン、オーストラリア。ゲストはリトルグリーモンスター、フィッシャーズ、そして新しい地図。料金は、無料。

 

車いすバスケは男子が銀メダルを獲得したパラリンピック以来、人気が急上昇した。公式Twitterは人間味溢れる…というよりは人間味しかない中の人の運営術にも助けられ、2万5千人のフォロワーを持つ。国内チーム戦には推しの選手のタオルやTシャツを購入…ではなく、自前で!作ったファンが駆けつける。香西、藤本両選手が所属した昨シーズン、ドイツブンデスリーガの深夜の配信には、時差にも負けない猛者たちが集まった。

 

オリパラ推し、という層がある。ボランティアたちはLINEなどでグループを作り、一年たっても情報交換に事欠かない。記念イベントでもあろうものならボランティアユニホームで集合して記念写真。それ以外の推したちは、本番でチラとも関われなかった無念を晴らそうと、使えないまましまい込んだグッズの出番を待ち構えている。有明の会場に入れるだけでテンションが上がることだろう。

 

そこへ来て人気アーティストたちの登場である。それぞれのファンたちが身近に会えるチャンスを逃すはずもない。車いすバスケの知名度を上げ、新たなファンを獲得するにはよい作戦だ。特にボランティアやパラスポーツファンは年齢層が高くなりがち。イケメンアスリートにガチッとハマるファンを意識しての人選なら、気が利いている。

 

残念なのはチケットが無料だったことだ。会場使用料というのは、チケットを有料にすると何倍にも上がるそうだ。オリパラの記念行事は無料で、という前提条件があったのかもしれない。感染拡大の状況を読みきれず、席数は最後まで決まらなかったとも考えられる。

 

それでも、無料で観る国際試合はなんだかさびしい。スポーツとして、イベントとして楽しもうという観客のノリが、パラスポーツは地味に、という常識に肩透かしを食らった感がある。ホテルまで予約していたガチなファンや、なんとなく興味があった人、たまたま知って夏のイベントとして楽しみにしていた人たちのトーンダウンがSNSに見え隠れする。

 

マイナースポーツがエンターテイメントになるにはきっかけが必要だ。お膳立てとしては100点満点なイベント。だからこそ、有料のチケットを抽選で当てて盛り上がりたかった。残念。

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